| 前回、「損小利大」の考え方について話を聞いて、FXをする上でとても大事なことだということはわかったのですが、損が大きくなりそうだったら早めに手を引いて、儲けられそうだったらもっと利益を出すだけですよね。 やっぱり、なんだか出来そうな気がするんですよ。 |
| まあ、中には初めから天才的なセンスや能力があって簡単に出来ちゃう人もいるだろうね。 その人は、FXだけでなくどんな投資でも儲けることができる人だと思うよ。 ただ、これって思っているほど簡単なことじゃないんだよ。 もし、これが簡単なことなら、FXをやっている人は負けなしだと思わないかい。 |
| 確かにそうですね。 |
| まず、今後もっと利益が増えそうか止まりそうか、損が膨らみそうか戻りそうかは、予想することしかできない。 そんな予想を元に、結局判断するのは、何らかの動きが起こっている最中になるんだ。 |
| はい。 |
| そして、人間は思っているより、心の弱い生き物だからね。 実際、FXをやったことがある人は心当たりがあると思うけど、「ここまで下がったらあきらめて損切りしよう」と決めていても、「もうすぐ戻りそうだ」・「さすがにここまで下がったらもう上がるだろう」・「絶対に上がるはず」と、希望的観測に負けて、ついつい損切りのタイミングを逃してしまう。 そして、状況は悪化する一方で、ついにはどうにもできなくなってしまい大損害、またはそのまま資金が底をついて強制退場なんてことに…。 |
| なんか、ドキッとしました。 そのまま、まるっきり同じことをしそうな気がします。 |
| FXの一番大事なポイントは、この損切りやストップロスの徹底といっても過言ではないからね。 利益の確定も大事だけど、これはまだプラスの話だから、精神的に余裕を持って対処できる。 逆に、このメンタル的な負荷が高い、損切りやストップロスをキッチリできれば、勝つ可能性がグーンとアップすることになるんだよ。 |
| なるほど。 自分に打ち勝つ、強い精神力を鍛える必要がありそうですね。 |
| とは言っても、実際そのタイミングになると、冷静な判断ができなくなってしまうこともあるから、あらかじめ注文の際に、「逆指値注文」という損切り注文を設定しておくのがいいだろうね。 |
| 逆指値って何ですか? |
| 逆指値というのは、FXの注文方法の一つで、現在の状態より悪い条件になったら買ったり売ったりの注文を出すように設定する、注文方法のことなんだ。 注文方法は他にもたくさんあるから、また別のタイミングに詳しく説明するけど、よくわからないと思うから、損切りに使う逆指値の例を一つ挙げておくね。 |
| ちょっとわかりづらいので、具体的な例があると助かります。 |
| 例えば、1ドル100円の時にドルを買ったとします。 予定では、「102円ぐらいまで上がったら、持っているドルを売って利益を確定させて、99円まで下がってしまったら、一度諦めてロスカットしよう」と考えていたとします。 |
| ふむ、ふむ。 堅実な方法ですね。 |
| 今回は、上手く102円近くに上がった時の利益確定の話は置いておいて、99円まで下がってしまった時の損切りの話に注目します。 この場合、為替レートが99円になった瞬間に、自分で損切りの売り注文を出しても構わないんだけど、さっき話したようにいざとなると「またすぐに戻るかもしれない」と、なかなか決断できないこともあるんだ。 そんな時のために、あらかじめ逆指値注文で99円まで下がってしまった時の売り注文を設定しておけば、99円まで下がった時点で勝手に約定されるんだ。 |
| これは便利ですね! |
| そうだね。 逆指値注文によるストップロスは、損切りの決断を出来る出来ないは別としても、常に相場を見ていることが出来ない多くのFXトレーダーにとって、とても大切なことなんだ。 ストップ注文を設定していない状態のポジションを持ったままで、朝起きたら大変なことに… なんてことになりかねないからね。 |
| 保険をかけずに車に乗るようなものですね。 |
| なかなか上手い例えだね。 とにかく、新しい注文をしたら、必ずストップ注文もセットで入れることが大事だね。 損切りやストップロスといった、リスク管理がしっかり出来ることこそ、FXで成功する近道だろうね。 |